METHOD
工法
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ガンパイル工法
ガンパイル工法
岩盤への合理的な杭打ちを実現
通常の杭打ち工法で施工困難な岩盤への杭打ち工事では、岩盤の「削孔」と杭の「建込」の2工程の施工が行われます。ガンパイル工法は強度の大きい鋼杭を穿孔棒として基盤岩へ直接打設する工法です。岩盤層での長時間運転に対応するため、専用のガンパイラーにより打設します。また、打撃効率をあげるために杭の先端部から噴出する低圧のジェット水で岩砕粉を洗浄除去しながら打設・貫入させます。杭先端の高強度特殊鋼により岩盤層での杭の損傷を防いでいます。
特長
施工設備が簡単
専用のバイブロハンマのみで岩盤へ杭を打設するため、一般的な岩盤杭打ち工法に比べ施工設備がシンプルです。
施工管理が容易
一般的な岩盤杭打ち工法のような先行削孔が不要なため、施工管理が容易です。また、杭の貫入状況から、直接岩盤線(支持層)の深度が確認でき、確実な打止め管理ができます。
多様な施工能力
軟岩や硬岩に対して、様々な鋼杭(H鋼杭、鋼矢板、鋼管杭、鋼管矢板)に対応します。
水質環境に優しい
施工時に使用する洗浄水は、低圧で使用水量も少なく濁水を少なくできます。また、ダウンザホールハンマー工法のような潤滑油の排出もなく水質環境に優しい施工ができます。
杭抵抗力の評価
(一財)沿岸技術研究センターの港湾関連民間技術の確認審査評価事業で岩盤層における杭の抵抗力の評価を頂きました。鋼管杭、鋼管矢板では岩盤層でグラウト充填を行うことで引抜き抵抗力が期待できます。
工期・工費縮減
岩盤に直接鋼杭を打設できることから、従来工法に比べて、工期・工費の縮減ができます。
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専用の特殊バイブロハンマー
ガンパイラー長時間運転可能な水冷式電動パイラーです。
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打撃力を確実に伝える
低圧岩砕粉洗浄水装置4MPax40ℓ/分程度の低圧&少量の水を使用します。
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硬質岩盤への打設を可能にする
杭先端高強度特殊鋼耐久性に優れた高強度鋼で杭先端を守ります。
一般工法との比較
通常の杭打ち工法では打込みの際発生する岩砕粉がクッション材となり、打撃エネルギーが直接岩盤に伝達しないという問題がありました。
ガンパイル工法では、岩砕粉を低圧ジェット水で洗浄しながら打設することで、打撃エネルギーが直接岩盤に伝達され、岩盤への貫入、打込みが可能になりました。
公的認証
NETIS登録:登録No. KT-990499-V
一般財団法人 沿岸技術研究センター
港湾関連民間技術の確認審査・評価(第15005号)
港湾関連民間技術の確認審査・評価
(一財)沿岸技術研究センター 港湾関連民間技術の確認審査・評価(第15005号)
- 1.杭と岩盤のクリアランス部に所定の配合で製造したグラウトを、注入量を管理しつつ施工を行った場合、確実にグラウトが充填されていることが確認された。
- 2.鋼管杭の杭先端純断面積と岩盤強度のパラメータを用いて、岩盤支持層での杭の先端抵抗力を推定できること(純断面積とは、先端補強鋼や先端補強バンドを除く杭先端の鋼管のみの面積) が確認された。
- 3.硬質な岩盤(5MN/m2≦一軸圧縮強度qu≦100MN/m2)において、所定のグラウト(配合強度が7MN/m2以上)および注入手順に従った施工により、杭周面抵抗力を期待できることが確認された。
- 4. 従来工法である岩盤掘削用の補助工法を用いた杭施工法の施行能率と比較して、工期短縮が可能であることが確認された。
ガンパイル工法の設計における支持力特性
1.先端抵抗力
- Rpk:先端抵抗力の特性値(kN)
- qu:岩盤支持層の一軸圧縮強度(kN/㎡)
- At:杭先端純面積(㎡)※
※杭先端純断面積:先端補強綱や先端補強バンドを除く鋼管先端の交換のみの面積
2.杭周面抵抗力(押し込み抵抗力、引抜き抵抗力)
Rfk=Yfki・Asi
- Rfk:杭周面抵抗力の特性値(kN)
- Yfki:i層の単位面積あたりの平均周面抵抗力(kN/㎡)
- Asi:i層において地盤と接している杭の周面積(=外周長U×層厚Li)(㎡)
※杭先端純断面積:先端補強綱や先端補強バンドを除く鋼管先端の交換のみの面積
- 砂質土地盤:Yfki=2N(Ni:i層の平均N値)
- 粘性土地盤:Yfki=Ca(Ca:i層の杭の平均付着力(kN/㎡))
Ca=Cu=qu/2とする。
Cu:地盤の非排水せん断強さ(kN/㎡)
qu:地盤の一軸圧縮強度 - 岩盤層:クリアランスへのグラウと充填を行なった場合
Yfki:100N/㎡※
※岩盤層の一軸圧縮強度quは、qu≧5MN/㎡とする。強風化岩や亀裂の多い岩などグラウトの充填性が不明確な岩種については別途検討を要する。